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Qスイッチヤグレーザーによる方法

Qスイッチヤグレーザーによる方法

当院のレーザーによるタトゥー治療方針

当院のレーザーによるタトゥー治療の大きな方向性は以下の4点です。

(1)社会生活が行える程度の除去(イレズミだったとはわからない程度がゴール)
(2)出来るだけ短い治療期間
(3)出来るだけ短い少ない照射回数
(4)出来る限り安価に・・・治療費定額制(暫定的措置)

その代償として以下の2点が犠牲になります。
(1)1回1回の最大限照射(照射面積、照射エネルギー) → 大きな心身の負担
(2)厳密な照射後スキンケア・生活制限

上記を原則としてそれぞれのケースに合わせて治療方針を決めます。



レーザーによるタトゥー治療の技術的・理論的背景

レーザータトゥー除去で上述の方向性を実現するためには

(1)墨が入っている皮膚深度にまで必要十分なエネルギーを到達させる(Enough energy at Ink region)
(2)色素沈着、色素脱失、テクスチャーの変化といった皮膚表面のダメージを最小化する(Minimize skin damage)
(3)タトゥー絵柄をぼかして周囲皮膚になじませる(Blurred outlines)

という(1)(2)(3)のいずれもが必要です。

(1)については、照射エネルギーは複数照射で(multi-pulse)エネルギーを蓄積することは出来ない、という重要な原則があります。
つまり一撃で(single-pulse)必要十分なエネルギーを加えないとエネルギーが届かないという事です。言い換えれば「1回の治療時には重ね照射が出来ない」ということです。なぜなら複数照射でエネルギーを与えようとしても初回照射直後に皮膚内で照射によ-る気体の層(gas & steam)が形成されてしまい(white light flash)、2回目以降の照射が色素に到達できなくなるからです(optical shielding phenomenon)。ですから単位面積当たりの照射エネルギー(J/cm2)を一定値以上でsingle-pulse照射できない限りタトゥーは何年照射し続けても消去できません。

(2)についてはいくつかの原則があります。
皮膚表面の照射エネルギー(J/cm2)が小さければ小さいほど皮膚ダメージは小さくなります。また同じトップハットのビームプロファイルであっても照射口-径が大きければ大きいほどビームプロファイルが安定し、ガウシアン化や照射部分周囲へのエネルギーの影響が減少します。インク深度でのフルエンスを同一に設定した場合、照射口径が小さければ小さいほど皮膚表面のフルエンスは増大し、その結果皮膚ダメージが増大します。つまり照射口径を大きくすればするほど皮膚に優しく、小さくなればなるほど皮膚表面が損傷するため、可能な限り大きな照射径で照射した方が(2)に対しては有利に働きます。

(3)について。
いくら色素が除去できてもそこの皮膚性状が周囲組織と異なっているとその輪郭が残ってしまい不自然な印象が残ることがあります。その場合、主に「色」をターゲットにしたQスイッチヤグレーザーのみでは不十分です。相当激しい照射方法にはなりますが、高出力の炭酸ガスフラクショナルレーザーでスタックを重ねて、広い面積を細かな多くのドット上のビーム光のスポットでスポット状に表皮・真皮を打ち抜いて貫通蒸散させてしまうことでタトゥーとその周囲組織をぼかすようにすることが可能です。

ここで(1)(2)を両立させるにあたって立ちはだかる大きな壁があります。それはQスイッチヤグレーザー自体のマシン容量です。レーザーを1ショット照射する際にどれだけのエネルギー(J)を出せるか(J/Pulse)がタトゥーレーザーとしての生命線といっても過言ではありません。弱い出力しか出せないマシンは有効照射エネルギー(J/cm2)を確保するためには照射径を小さくせざるを得ず、皮膚ダメージが増大します。細いビーム光で照射すれば何とかインク深度まで到達は出来るのだが、到達するまでに組織を破壊しながらレーザー光が進んでいくというイメージです。その結果、色素は抜けても色素沈着・色素脱失・肥厚性瘢痕・ケロイド化を誘発することになります。高出力で照射できるマシンは大口径で有効照射エネルギー(J/cm2)を確保することが出来るため皮膚ダメージが段違いに少なくなります。太いレーザー光が皮膚表面を素通りしてインク深度まで到達し、そこでインク領域を蒸散させるイメージです。その結果、相対的に皮膚ダメージは減少します。

つまり、(1)(2)を両立させるためには、必要十分なエネルギー(Enough energy at Ink region)を精度の高いトップハット型ビーム(TopHat beam)によって大口径(large spotsize)で単一照射(single-pulse)にて照射することが皮膚表面のダメージを最小限にして深部に十分なエネルギーを到達させる唯一の方法です。引き続き、どうしても残存してしまう一部の領域は小口径照射にて皮膚ダメージを覚悟で照射していくことになります。

色素の除去がある程度進んだ段階で(3)を加えていきます。治療範囲全体を照射するのではなくポイント所を中心に(意味の強い絵柄の箇所やコントラストの強そうな箇所;e.g. 龍の顔、細かな絵柄、文字 など)に照射し、ぼかしを加えていきます。

補足ですが、Qスイッチヤグレーザー以外のQスイッチレーザー(例えばQルビー)でも小範囲単色ならば時間をかければ(レーザーの性質上最大1Hzのスピードで小口径照射しかできない)照射は可能ですが、照射範囲が広い場合は実際問題としてかなり厳しく、カラータトゥーの場合は不可能です。サロンのマシンは絶対的マシン容量が不足しているため多少色を薄くする程度以上のことはできませんのでサロンゆかりの方にはたいへん申し訳ないのですが時間の無駄です。そもそもレーザータトゥー除去は医療行為です。


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タトゥーがカラー(マルチカラー)の場合

タトゥーが黒単色の場合は1064nm波長による照射のみですが、カラーの場合は治療方法が複雑になります。
虹色の順番「赤→橙→黄→緑→青→藍→紫」の色のスポットを平面にリング状にならべると12色相環が描けます。色相環の対側に位置する2色は補色といいます。補色は互いにレーザー光の吸収度が最も高いので、基本的にはタトゥーカラーに対する補色のレーザー光を照射することになります(深達度の問題は考慮外です)。
緑色の補色は赤色、青色の補色は黄色ですから

1) 緑色タトゥーに対しては 650 nm (赤色のレーザー)
2) 青色タトゥーに対しては 585 nm (黄色のレーザー)
3) 赤色タトゥーに対しては 532 nm (緑色のレーザー)
4) 黒色タトゥーに対しては 1064 nm(赤外光のレーザー)


の照射を行ないます。
目的のレーザー光を得るために1064nmの波長をKTP結晶に通すことで532nmに変換し、それをさらにビームコンバーターによって585nmあるいは650nmに変換します。
波長変換を繰り返すため出力はかなり減衰し、黒色に対する1064nm波長の光を1ショットで1000mJの強さで照射したとすると一般論ですが

1) 650 nm は250mJ (1064nm波長の約25%)
2) 585 nm は300mJ (1064nm波長の約30%)
3) 532 nm は500mJ (1064nm波長の約50%)

にまで減衰します。
従って大元になる1064nm波長自体を高出力でシングルパルス照射できるレーザーマシンの容量が大前提になります。


本邦でのレーザーによるタトゥー治療の現状

当院を受診される患者さんのお話では
「レーザーでタトゥーは消せない(ので切除、植皮あるいは削皮した方が良い)」
「レーザーで消せないことはないが、10回以上はかかる(ので切除、植皮あるいは削皮した方が良い)」
「カラータトゥーはレーザーでは消せない(ので切除、植皮あるいは削皮した方が良い)」
という方針を一般論として他施設のDr.から示される事が多いようです。

まず第1に、ある医療施設の治療方針は、そこの施設の設備などの治療環境の枠内での限定された治療方針です。同じDr.でも施設Aにいるときの治療方針と施設Bにいるときの治療方針は異なるものです。
従って一般論としての上述の治療方針を示すことはできません。あくまでも「当該クリニックではレーザーでタトゥーは消せない」「当該クリニックでは10回以上はかかる」「当該クリニックではカラータトゥーはレーザーで消せない」という意味だと御理解下さい。

第2に、言葉の定義の問題ですが、以下のAもBも同じ「タトゥーを消す」という意味で使われます。
A「タトゥーレーザー治療で全く痕跡なくタトゥーを消し去る」
B「タトゥーレーザー治療で、わずかに皮膚の質感の違いは感じられるが元のタトゥーの輪郭・形状などは不明で、公衆浴場・プールなども問題なく入場でき社会生活が営める。元々タトゥーがあったことも専門家がしっかり診ないと判別できない」

Aはいかなる治療をもってしても不可能ですが、Bは条件付きで可能です。ですから「タトゥーを消す」いう言葉がAなのかBなのか、あるいはそれ以外なのかを明確に意識する必要があります。
ほとんどの場合、全く痕跡なくタトゥーを消し去ることが目的(A)なのではなくタトゥーがあったことが他人にわからず社会生活を営めることが目的(B)です。

Bを可能とする条件はかなり厳しいものがありますが例えば以下のようなことです(当院の場合)。

1)クリニックの天井裏に巨大で高重量(ヒトの重さほどあります)のアップトランスという変圧器を取り付け、1064nm波長自体を高出力でシングルパルス照射できるレーザーマシン(最高1600mJ)が稼働できるようにして、そのマシンを原則として全開で照射する
2)照射後長期に厳密なスキンケアを行う。結構厳密な生活指導を行う
3)炭酸ガスフラクショナルレーザー照射や他の処置なども加えて総合的な治療を行う
4)高出力レーザー(1500mJ以上)を複数台備え使い分け、故障にも備える

本邦では現在一般に400mJ〜1000mJのレーザーマシンがタトゥー除去に使用されていると思いますが(結構400mJ以下のマシンを使用していらっしゃる先生も多い)、残念ながら1000mJ以下のマシンでは「タトゥーを薄くする」ことは出来ても「タトゥーを消す」ことは困難だと思います。

*なぜ一般に高出力レーザーが導入されていないのか
1000mJ以下のマシンであっても若返り治療その他の目的のためであれば十分目的を果たせますのでタトゥー治療を考えないのであれば強いて高出力レーザーを設置する理由はありません。1600mJマシンのようなモンスターマシンになってくるとわずかなアライメントのズレなどでたちどころに防護レンズを打ち抜いたり光学系にトラブルを生じてランニングコストも莫大ですし修理のために治療もストップします。レーザーメーカー(代理店)の迅速で密接なメンテナンスが不可欠ですが対応はかなり?です。レーザー自体が非常に高価、維持費が非常に高額、レーザーがデリケートですぐ壊れる、クリニック天井裏に特殊な工事が必要、メーカー日本代理店の対応が極めていい加減、高出力でなくともタトゥー以外の治療は大丈夫、となると高出力レーザーの導入は普通の美容クリニックでは考えません。そのため一般的には高出力レーザーは導入されていないのが現状です。




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施術の流れ

<Pre>
・照射部位の剃毛をします。
タトゥー除去レーザーは黒い色に反応しますので、処置前に照射部位の剃毛を行います。

麻酔を行います。
施術部位の大きさや患者様の希望により、麻酔クリームもしくは注射による局所麻酔を選択します。
レーザーを照射します。
レーザーを直視しないよう、患者様には保護ゴーグルをつけていただきます。
適切な波長・出力のレーザーを照射していきます。
施術前の麻酔に加え、強力なエアクーリングデバイスを併用しながら照射していきますので、痛みはかなり抑えることが可能です。場合により、ボカシ目的のレーザーを併用する場合もございます。
創部の処置を行います。
レーザーを照射した直後は皮膚は白色になり(ホワイトニング現象)、その後照射スポット中央から微量の点状出血をみることもあります。
通常1〜2週間でカサブタがとれ、上皮化します。
上皮化までの間、炎症止めの軟膏を塗布し、創部を保護するためガーゼなどによりしっかりと覆っていただきます。色調の減少は通常4〜6週間後から起こります。

治療間隔と回数

  • タトゥーの色や深さ・大きさなどにより治療回数に個人差があります。
  • 黒のみの単色のものでも、目安として3〜5回以上はかかると考えてください。カラーの入っているものですと、場合によって10回以上かかる場合もあります。
  • 黒一色の自彫りのいたずらタトゥーは1〜2回の照射でもかなり薄くすることが可能です。
  • レーザーとレーザーの間隔は最低1〜2ヶ月は空けていただきます


注意事項

  • 施術前後の日焼けは避けてください。
  • レーザー照射後の皮膚には、赤み・色素沈着がしばらく残ります。色素沈着を最小限に抑え、早期にひかせるため、内服・外用治療の併用をお勧めします。また、こすったり、皮をめくったり等の刺激も避けてください。
  • 効果には個人差があります。
  • 反応により脱毛する場合があります。
  • 反応により色素脱失を起こす場合があります。
  • 反応により照射部位の皮膚が肥厚する可能性があります。


治療を受けられない方

  • 妊娠をされている方
  • 日焼けをされている方
  • てんかん発作の既往のある方
  • 光過敏症のある方
  • 施術部位に傷、ヘルペスのある方
  • 何らかの不適応要因が認められる方。医師の診断により治療をお断りする場合があります。


併用療法

炎症後の色素沈着を最小限におさえ、早期消退させるためにも、レーザー治療前より内服治療や外用治療を開始することをお勧めします。
タトゥーの色や大きさなどにより、切除縫合法をお勧めする場合もあります。


Qスイッチヤグレーザーによるタトゥー除去例


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(29歳 男性 WON COSJET TR→Fotona QX MAXによる照射)






(31歳 男性 WON COSJET TR→Fotona QX MAXによる照射)




(26歳 男性 WON COSJET TR→Fotona QX MAXによる照射)




(25歳 男性 WON COSJET TRによる照射)




(29歳 男性 Fotona QX MAXによる照射)




(39歳 女性)




(23歳 男性)

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(36歳 男性 WON COSJET TR→Fotona QX MAXによる照射)



(36歳 男性 WON COSJET TR→Fotona QX MAXによる照射)

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(29歳 男性 WON COSJET TR→Fotona QX MAXによる照射)




(25歳 男性)




(25歳 男性)




(23歳 男性)




(22歳 男性)




(28歳 男性 Fotona QX MAX、Tri-beamによる照射) 




(30歳 男性 Fotona QX MAX、Tri-beamによる照射)




(34歳 男性 WON COSJET TR→Fotona QX MAXによる照射)




(31歳 男性 Fotona QX MAXによる照射)





(21歳 男性 Fotona QX MAXによる照射)


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(26歳 女性 Fotona QX MAXによる照射)




(26歳 女性 Fotona QX MAXによる照射)








(29歳 男性)




(27歳 男性 WON COSJET TRによる照射)






(29歳 男性)




(37歳 男性 WON COSJET TR→Fotona QX MAXによる照射)

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(26歳 女性)




(25歳 男性 Fotona QX MAXによる照射) 




(28歳 男性 Fotona QX MAX、Tri-beamによる照射) 




(33歳 男性)




(25歳 男性 Fotona QX MAXによる照射)




(32歳 男性)




(29歳 女性 Fotona QX MAXによる照射)




(32歳 男性 WON COSJET TR→Fotona QX MAXによる照射)




(26歳 女性 WON COSJET TRによる照射)




(27歳 女性)







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(21歳 男性 Fotona QX MAXによる照射)




(24歳 男性 WON COSJET TRによる照射)



(27歳 女性 Harmony XL + WON COSJET TRレーザーによる照射)




(25歳 男性 Fotona QX MAXによる照射)







(21歳 女性 WON COSJET TRによる照射)

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(29歳 男性 Fotona QX MAXによる照射)



(22歳 女性 WON COSJET TRによる照射)




(35歳 男性)






(41歳 女性 WON COSJET TRによる照射)








※診察時に治療部位のカルテ保管用記録写真を簡単に撮影させて頂きますのでご了承下さい。
※タトゥー除去では一般に治療が長期化しますので、お付き合いも長くなります。それ故良い結果を得るためには特に患者様とクリニックの信頼関係が重要だと考えています。信頼関係が構築困難だと判断せざるを得ない場合は治療をお引き受け出来かねますので悪しからずご了承ください。
※当クリニックではタトゥーカバーアップのためのレーザー照射、一部のみを消去するためのレーザー照射は原則としてお引き受け致しておりません。予めご了承ください。


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